この一式は 架空データによる仕組みの見本 です。実在の企業・人物とは一切関係がありません。
HOW IT WORKS  /  AND HOW TO HAND IT OVER

仕組みと渡し方

人事データの見える化は、専用のデータベースがなくても作れます

2026.08.31

TL;DR この一式の正体は「表2枚 + 集計スクリプト + 見る画面」です。専用のデータベース製品は使っていません。 記録さえ機械が読める形になっていれば、あとは数えて割って並べるだけで、いわゆる人事ダッシュボードになります。

「人事データマートの構築」「BI化」と言われると大きな話に聞こえますが、 中小企業の実物はたいていスプレッドシートから始まっています。 ここでは、その一番小さい形を実際に動かせるようにしてあります。

STRUCTURE 01

全体の構造

STEP 1
記録する
応募・面談を
1件=1行で表に書く
»
STEP 2
ためる
表を1か所に集める
=データマート
»
STEP 3
集計する
数える・割る・並べる
スクリプトが自動で
»
STEP 4
見る
ダッシュボード
=BI化

言葉の置き換え

よく聞く言い方実際にやっていることこの見本での中身
人事データマートの構築散らばった人事の記録を、分析できる形で1か所に整える応募者の表と面談記録の表を、決まった列で作る
BI化その数字を、見て分かる画面にする集計スクリプト+ダッシュボード1枚
採用歩留データの集計どの段階で何人減ったかを数える採用ファネルの表示
面談履歴のデータ化面談メモに点数の欄をつけて残す4観点のスコア+あとから傾向を出す
スクリーニング自動化要件との合致を機械が整理し、判断は人がする書類選考の整理ページ
定型業務の自動化毎回同じ手順を1コマンドにまとめる集計コマンド1本で全部更新

「データマート」は倉庫の名前のようなもので、道具の名前ではありません。 Excelでもスプレッドシートでも、決まった形で貯まっていればそう呼べます。

FILES 02

実際のファイル構成

この見本は6つのファイルでできています。画面を作っているファイルより、記録の表のほうが大事です。

ファイル役割誰が触るか
data/applicants.csv応募者の表(1応募=1行)人事担当(スプレッドシートで運用)
data/interviews.csv面談記録の表(1面談=1行)面接官・人事担当
data/requirements.json職種ごとの募集要件人事担当(要件が変わったら書き換え)
build.js集計してダッシュボード用データを作る作った人(普段は触らない)
screen.js要件と突き合わせて合致度を整理する作った人(普段は触らない)
publish/*.html見る画面見るだけ

色をつけた2行が、この仕組みの本体です。ここさえ埋まっていれば、集計と画面はいつでも作り直せます。 逆に記録がなければ、どんなに立派な画面を作っても中身は空です。

動かすコマンド

cd "Dev/jinji-mini"
node seed/generate.js   # 架空データを作り直す(本番では不要)
node build.js           # 集計してダッシュボードを更新
node screen.js          # 書類選考の合致度を整理

実際の運用では2行目は使いません。スプレッドシートから書き出したCSVを置いて、下2つを実行するだけです。

PACKAGE 03

人に渡すなら、どの形にするか

渡し方は3通りあります。相手が自分で運用を続けられるかと、 こちらが保守を抱え込まないかの2点で選ぶのがおすすめです。

PLAN A

スプレッドシート完結型

渡すもの:記録用のスプレッドシート(関数と集計シート入り)+運用マニュアル。

向き:相手にIT担当がいない中小企業。相手の環境だけで完結し、こちらの保守がほぼ発生しません。 見た目は地味になりますが、いちばん壊れません。

PLAN B

この見本と同じ構成

渡すもの:CSV+集計スクリプト+HTML画面 一式。

向き:相手側に手を動かせる人がいる場合。表現の自由度は高いですが、 実行環境の準備が必要で、相手が自力で直せないと問い合わせがこちらに戻ってきます。

PLAN C

記録は相手・集計はこちら

渡すもの:記録用スプレッドシート。月1回こちらが集計して、レポートを届けます。

向き:継続的な関係にしたい場合。相手はいつもの表に書くだけで、 システムを渡さないので障害対応が発生しません。月額の形にしやすい構成です。

おすすめ 最初に渡すならA、続く関係にしたいならC。Bは相手に技術者がいるときだけ。 AとCはどちらも「渡したあと動かなくなって呼び戻される」ことが起きにくい構成です。

渡すパッケージの中身(4点セット)

#渡すもの中身
1記録テンプレート応募管理シート・面談記録シート(列が決まっている)
2自動集計歩留まり・経路別・職種別・採用単価の計算
3見る画面ダッシュボード(この見本の1枚目)
4運用マニュアルいつ・誰が・どの欄に書くか。列を増やしたいときの手順

4番を省くと、3ヶ月で記録が止まります。仕組みが壊れるのではなく、書く人が分からなくなって止まります。

NOTE 04

渡す前に決めておくこと

01

個人情報をどこに置くか

応募書類・面談メモは個人情報です。相手の会社の中で完結させるのが基本で、 こちらが預かる場合は範囲と期間を決めます。氏名を伏せた集計だけを受け取る形にもできます。

02

止まったときに誰が困るか

集計が止まっても採用は続けられます。ただし「今月の報告に間に合わない」は起きます。 締切のある業務に組み込むなら、こちらが不在でも回る形にしておく必要があります。

03

合否の判断は渡さない

スクリーニングは材料を整えるところまで。判定まで機械に任せる設計にすると、 説明責任がこちらにも及びます。契約の文面でも線を引いておくのが安全です。

04

最初は1職種だけで試す

全職種を一度に始めると、列の設計が合っていなかったときの手戻りが大きくなります。 1職種3ヶ月で回してから広げると、要件の抜けが早く見つかります。

RELATED 05

すでに手元で動いている同じ形

この構造は新しいものではなく、いま自分の事業で回している仕組みとまったく同じ骨格です。 対象が変わるだけで、やっていることは変わりません。

記録(表)集計見る画面
売上管理売上ログ・請求書台帳build.js売上ダッシュボード
経費管理経費ログ・仕分けinbox同上同じダッシュボード内
採用(この見本)応募者・面談記録build.js / screen.js採用ダッシュボード
つまり 企業の人事データ活用は、道具の話ではなく「記録を機械が読める形にして、集計を自動にして、見る画面を作る」の反復です。 すでに自分の事業でやっていることを、対象を変えて適用できます。
SCOPE 06

この見本に入れていないこと

正直に書いておく未実装
入退社・在籍者の管理、労務データ(勤怠・残業・給与)、評価制度との連動、 定着率や離職の分析、複数年の推移比較。この見本は「採用の1年分」だけを扱っています。 実際の人事データマートはこの何倍もの範囲になりますが、増える列が変わるだけで骨格は同じです。

また、この見本のデータは架空です。数字の傾向は実務でよく見る形に寄せてありますが、 特定の企業の実績ではありません。